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海外就職!「悔し涙で枕を濡らさない」ための英語力とは?(その1)


今や、働き方・生き方の選択肢が増え、「いつかは海外で就職したい!」と希望する方も多くなってきました。外務省『海外在留邦人数調査統計(平成28年要約版)』によると、2015年時点の日本人の海外在留者は1,317,078人。1989年から在留者数は、右肩上がりに増加し、海外に住むことが実に珍しくない時代になりました。それで、「海外就職※で必要な英語レベルって、実際は一体どのくらいなんだろう?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

かく言う筆者も、海外就職をした一人。シンガポール、ドバイで現地採用として、たくましく働きました。その経験から、“英語力”と“コミュニケーション能力”が、想像していたよりも重要だと、実感しています。英語読解力やリスニング、会話力が一定以上あるのは当たり前で、さらにコミュニケーション能力がないと行き詰まることがあるのです。

では実際に、海外就職、現地採用で働く際に、どのようなことで苦労するのか?という視点から、英語力とコミュニケーション能力がどのように重要なのか、筆者の経験からの例を紹介します。

(※英語圏か英語が公用語の国や企業、職場で9割以上英語使用の環境が前提)

「ドラえもんとはそもそも何か?」から説明がいる

外国人と接する時に、コミュニケーション・ギャップがなぜ起きるのでしょうか。

国が違えば文化・価値観・習慣が全く異なるため、共有する前提条件(バックグラウンド)が少ないためです。異なる価値観を持った人同士では、“察する”や“想像する”が通じません。日本人相手でも「あの人は、なぜいちいち言わないと分からないんだろう!」とコミュニケーションで苦労することはありますよね。でも、外国人相手の場合は、もっといちいち言葉で説明・理解する必要が出てきます。そんな、察することが期待できない環境では、相手が知らないことを十分に説明出来る言語能力がないと、行き違いが多くなってしまうのです。

その結果、コミュニケーションをとる相手と自分で、お互いにフラストレーションがたまることになります。例えば、「ドラえもんは青いよね。」という共通認識がない人に、“ドラえもんとは、そもそも何か”から説明しなければならない場面が、日々沢山出てくると想像してみてください。ドラえもん程度の話ならいいが、これが仕事となると、とてもやりにくいことに……。

例えば、5月6日が締切の仕事を誰かに依頼した場合、日本人相手なら“5月6日中に提出する、ギリギリや締め切りに遅れる場合は、前もって連絡する。もしくは依頼を受けた時点で、締め切りまでのリードタイムが少ない時は、先に相談する”ことがプロフェッショナルだ!という共通認識があります。締切に遅れることは”恥ずかしい”と思う人すらいますよね。それが、日本でも外国人相手に経験がある方がいるかもしれませんが、海外で仕事をしていると、締め切りに対する感覚が皆バラバラであることに気づくのです。依頼をかける時に“締め切りに遅れる場合は、連絡下さい”とか、“遅れた場合は、このように後工程に影響があるため締め切りを守って欲しいんです”と仕事の遅れによるインパクトを説明して、動機付けまでしないと、リクエストした仕事が締め切りまでに終わらないことが、多くなります。これが、共通の前提条件が違うと、説明が増えるという一例です。締め切りに対する感覚については、仕事をする国や相手の文化圏によることに加え個人レベルの問題でもある旨も、付け加えておきます。ただ、ざっくり見ると文化圏別に締め切りへの感覚には、確実に傾向があります。

だから、英語力は重要でも英語力だけ高くても仕方がなく、“相手がわかるやり方で説明する”という点で、コミュニケーション能力がポイントとなってくるのです。

次回記事で、コミュニケーション能力について、もう少し突っ込んでお話ししたいと思います。

<参考>

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