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金委員長とトランプ大統領の歴史的会談!シンガポールからレポート「平和と平穏」


本日、6月12日(火)本日はトランプ大統領と金委員長の歴史的会談が、私の住む、ここシンガポールで行われる日です。会談を約15分後に控えています。

それに先立ち、シンガポールプレスクラブ会員、シンガポールの日本人向けビジネスフリーペーパー『Asia X』で記事を書いている筆者が、東京FMラジオ『中西哲生のクロノス』に、シンガポールから朝中継でレポート出演させていただきました。

地元の雰囲気や地元の人々の声など、たくさんお話ししたいことがありましたが、4分間というかなり限られた時間の中で、全てをお伝えすることができませんでした。このブログを通じて、ご紹介させていただきたいと思います。

金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ大統領の「滞在先」って?

私の住む場所リバーバレーは、両首脳の滞在先ホテルから近い場所です。金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長のセントレジス・シンガポールから車で5分程度です。また、トランプ大統領の宿泊ホテル・シャングリラホテルとも同じくらいの距離。両者のホテルは、シンガポール中心のオーチャード付近(日本でいう銀座のような高級エリア)にありホテル間も、徒歩10分くらいとなっています。

シンガポール国土は東京23区とほとんど同じ大きさですが、それでも近い距離だと言えます。

セキュリティについて

ものものしいとは言え、シンガポールは、もともと安全な国。“日本より安全”だと肌感覚で感じることもあります。普段生活していて、厳戒態勢を感じることはあまりありませんが、両首脳の滞在ホテルやサミット会場付近の“特別区域”では、厳戒態勢となっています。

両首脳の滞在ホテル周辺で、”特別区域”に指定された道路の閉鎖が6/9から始まり、地元の人たちは日々SNSでセキュリティ情報をやりとりしています。例えば、「タングリンロード(キム委員長が宿泊する、セントレジスの向かい)は4車線のうち2車線が閉鎖されてるよー。オーチャードに行くなら時間を倍多めに見た方がいいよー!」など。

(地図:Straits Timesより)

会談場所である、カペラホテル(Capella Singapore) のあるセントーサ島は、交通規制で日常の通園ができず休園となる幼稚園もあります。セントーサ島といえばカジノ。カジノに勤める友人も、通勤するにも空港のセキュリティチェック並みの警戒態勢で、なかなか職場にたどり着かないという声を聞いています。

準備期間が短い中、スムーズなオペレーション、このような円滑で高度なセキュリティをシンガポールを知らない国の人々、世界に示す良いチャンスだと、地元の人のほとんどは考えています。

シンガポール国民は”歓迎ムード”!

基本的には「歓迎ムード」!日曜日午後に金委員長、同日トランプ大統領が夜到着したが、到着の様子をインターネットやテレビを通じてライブで視聴しすぐにFacebook中心にSNSでwelcome to Singapore!と歓迎コメントの嵐でした。到着後の金委員長とリーシェンロン首相の会談動画がリーシェンロン首相のfacebookページで見られるため、リアルタイムで市民は注目しています。

市民の声としては、“こんなに小さい国が、世界の歴史的瞬間、アジアと世界平和につながるサミットをホストすることについての誇りにおもう”という声が多数。一方で、タクシー運転手など、労働者階級の方々は税金の無駄遣いと批判もあります。今回のサミット主催により、シンガポールは約2千万シンガポールドル(約16億円)を使い、それが金委員長の宿泊費込みだと報じられています。ただ、F1より少ない予算ですし、パプリシティ面では大きなプラスだと受け止めている人の方が多いです。

リーシェンロン首相は、“ホストを買って出たのではなく依頼され、精一杯のことと成功することで国際社会でのポジションを世界に示す。プラス面が大きい”と強調していますし、市民のマジョリティは理解とサポートを示しています。

金委員長への市民の印象は?

彼の印象は、日本とは温度差があります。おおむね好意的で、金委員長の“走る護衛”はすぐに動画が地元の人で拡散され「シンガポールの気温が高く、暑いのに走るなんて、護衛がかわいそう!」などと話題になりました。昨夜彼がマリーナベイサンズに登場した際、背の高い“走るイケメン護衛”のみなさんが登場の後、ちょっとヒーローみたいな登場の仕方で、周囲から歓声が上がっていました。シンガポール外相が、彼とセルフィーを撮り外相がツイッターにアップしたことも、話題になりました。金委員長はニコニコしていて、愛されキャラのように見えます。

また、これはセンシティブな問題ですが、日本はどうしても拉致問題にフォーカスしがちです。シンガポールでは“恒久的な非核化”が最大の課題との認識です。そのため、いろいろなメディアの報道を見ていますが、今回の会談と拉致問題をからめてメディアで触れられることはほとんどありません。

トランプ大統領への市民の印象は?

こちらも歓迎ムードです!到着時に、彼のスローガンである、”Make America Great Again”ロゴ入り帽子をかぶるサポーターも見られました。

二人のくっついたり離れたりの蜜月をモチーフに、“ブロマンス”カクテルを出すバーや“ロケットマン・タコス“という新メニューを出すレストランも。セレブリティやアーティスト、一般市民が”平和“をテーマにした発信もさかんになっています。安定と平和は、皆が望むことです。

セントーサ島で会談が開催される意味は?

シンガポールは、太平洋戦争時、日本軍占領下だった時代があります。セントーサ島には有名な観光名所“シロソ砦”がありますが、1980年代イギリス軍沿岸要塞でした。(参考:https://singapore.navi.com/miru/49/)。

セントーサ島は、過去には戦争の悲しい記憶の象徴でかつては”死の島”と呼ばれていましたが、1970年代に島の名前が現在の名前が“セントーサ“に変わりました。現在は、平和の象徴的な島となっています。カジノ、ビーチリゾート、高級住宅にユニバーサルスタジオなど、ラグジュアリーかつ観光名所のシンボルです。

また、セントーサ島内会場のカペラホテルは、海が見える美しい景観で有名です。それが、今回の歴史的会談をより印象的なものとするために、ビジュアルの良さで選出されたという見方もあります。

カペラホテルは、元々は旧日本軍による強制収容所だったとところです。セントーサ島、カペラホテル開催ということで、この国の歴史に大きく関わった日本人にとっても、平和の意味を改めて考える日になってほしいと、歴史的会談の日に寄せて思っています。

現在、シンガポールには私も含めて約3万人の日本人が住んでいます。地元の人々のおかげで、温かく、住まわせてもらっています。

シンガポール人の友人が言いました。セントーサはサンスクリット語で”平和と平穏”という意味だと。だからわたしたちが望んでいることが、叶ってほしいと。そこで平和へ向けた会談が行われるのです。意義深い日です。

参考:

・カペラホテル

https://www.capellahotels.com/singapore/

・Trump-Kim creations on the menu as Singapore chefs mark summit - The Peak(フード写真)

http://thepeakmagazine.com.sg/gourmet-travel/trump-kim-creations-on-the-menu-as-singapore-chefs-mark-summit/

・かつては旧日本軍の捕虜収容所 米朝首脳会談の開催場所カペラホテルとは?Newsweek日本版

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10347.php

・東京FM クロノス

https://www.jfn.co.jp/ch/

・シンガポール外相と金委員長の写真クレジット

(c)AFP PHOTO / TWITTER / ACCOUNT OF Vivian Balakrishnan

・シンガポール リーシェンロン首相Facebook

https://www.facebook.com/leehsienloong/

・Trump-Kim summit: Expect road closures and security checks- The Straits Times

https://www.straitstimes.com/singapore/expect-road-closures-and-security-checks

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